身体哲学ファイルLOGOシリーズ「五三 GOMI 」

jun amanto kabuku mai

身体哲学ファイルLOGOシリーズ

Body Philosophy File, Logo series





「五三 GOMI 」









シンプルな構成、毎回与えられるロゴは、

僕のパフォーマンスに対する情熱と極意を一つ一つ形にしたものです。

今、傾舞(KABUKU-MAI)唯一の定期公演、

純粋な傾舞(KABUKU-MAI)が体験できる唯一の機会です



With very simple dance composition, a logo given each time is to express my
passion against my performance and to show the secret of my dance, which is called
Kabuku-mai.

This is an only regularly-scheduled Kabuku-mai's performance and an only
chance that you can experience a pure Kabuku-mai.








SOUND:

ウード/ 加藤吉樹: Wood

1971年1月21日、大阪に生まれ、7才から約5年プエルトリコですごし、大阪に戻る。
愛知県立大学国語学部、卒。幼少よりクラッシックを聞き音楽に和む。16歳でビートルズ、ファンク、ジャズ、ボサノバなど様々な音楽を吸収する。

現在フリーインプロビゼーション即興音楽を中心に音楽家以外にもダンサー、画家などとのコラボレーション活動にも力をいれ現在に至る。


2006年のパリ公演でトルコのギター「サズ」に出会い、日本国内で数少ないサズ奏者としても活動中


また、大阪梅田に焼け残った下町、中崎町で、最も古くアーティストと旅人が集まるカフェ「Salon de AManTo天人」で共同マスターとしてアーティストサロンの運営をやりながら
同所でギター教室も営んでいる。
http://yoshiki.mh5.mp7.jp/


口琴・パーカッション/山本口琴逸平

1999年に、サハ共和国のフェドーラ ゴーゴレバ女氏の来阪ライブを衝撃体感し、
ライブ後、フェドーラさんみずから奏法を教えて頂いた事をきっかけに、口琴
はまり、様々な方とセッションを繰り広げ、最近は、倍音Sこと尾引浩志氏とライブを展開。
はい兄弟の兄である。





能面協力 / 林 桃春  

 


DANCE

傾 舞(kabuku mai )  JUN



【傾 舞 kabuku mai】

傾舞とは「武+舞+奉+禅」の4つの漢字であらわされるコンセプトを持つ

JUN独自の思想を元にしたコンテンポラリーダンス

技術的には、日本人独自の身体操法に着目し「双 軸」(2本のセンターを

駆使して踊る)など数多くの体系を持っている。

面白いことに、日本人独自の運動を探求するため

彼は環太平洋の島人達に共通の動きを見出し、海洋民族の身体性を研究。

この思想と技術を纏め上げた。

Kabuku mai is a contemporary dance based on Jun's original philosophy

which can be expressed by four Japanese characters, BU (martial art), MAI (dance),

HOU (dedication to god) and ZEN (the way of meditation in Buddhism).

Technically speaking, he focused on Japanese traditional physical movement as Soujiku

(= biaxiality. Dance using 2 centers in body.) and other systems.

He seeked for Japanese original movement and found the same style in island people of

Pacific Rim countries. He kept researching for the physical characteristics in maritime

people and organized the consiousness and skills all together.

HOME PAGE of JUN →http://jun240.atpk.jp/






PLACE:AManTo天然芸術研究所 (AManTo EART LAVOLATRY)
地図http://tengei.atpk.jp/page_3
home pagehttp://tengei.atpk.jp/


OPEN: 19:00
DOOR: 19:30


FEE: 2000円


電話予約でワンドリンクサービス
06-6371-5840 
Telephone being reserved serves the one drink.          
06-6371-5840






「五三(gomi)」の解説



五三は「GOMI」と発音し「醐味」とも書く。
「醐味」は傾舞の醍醐味を支える極意の中で
最も難しい深遠なテクニックグループをさす。


教えの深浅はグループは5種類に分類され
牛乳を精製する五段階の味。乳・酪・生酥(しようそ)・熟酥・醍醐の五種で形容される。
当然、醍醐味が最高の極意となる。


一般に「三」は「味=mi」であり,
甘い・辛い・苦い・酸っぱい・塩辛いの五種の味を五味という。
つまり…
「五味」という場合は(作品の)味の方向性を示し
「醐味」という場合は味の深浅を指すのである。


または五三と書く場合はその間に四が隠れているという奥義がある。
四は「世」であり「代」であるからこれは「空間」と「時間」をしめす時空の意味がある。
五は「いつ」と発音できるが、これは時間を特定するという意味であり
自己の意識が過去へも未来へも広がる変成意識で踊るダンサーがその中心地点である「今」に戻るために中心として意識を持ち無事に通常意識に帰ってくるための言霊である。
ダンサーは「いつ」という音だけは忘れてはならない。


方陣というものがある。
3×3の升目に1から順番に数字をいれ縦横斜めどこを足しても合計が15になる数列をいうがその中心は数字「5」がくる。ここでも数字5は中心、今、現時点という意味がある。


傾舞は基本が即興であり、居場を作り気場で結界し、劇場に舞うべきダンスをおろしてきているように見えるので古代の巫女舞によくなぞられる…が、実際はダンスは降りてくるのではなく全方向から迫ってくる感があるものだ。

つまり時間は自己中心に過去未来だけでなく別次元へも放射状に広がっていく感覚があり
そのような感覚を身につけるにはダンサーとしての日々の稽古だけでなく
古代の自然時間で生活する事が必要不可欠になる。
この場合も今を示すのが5すなわり「いつ」…なのだ。


テクニックとしては劇場で星型に運足する時にでてくる歩法として知られ
それは体の外部に存在するセンターを使った運動である。
傾舞で使われる一般に使われるのは3つのセンターである。
すなわち、右大腿骨転子上にある側軸「水」と左大腿骨転子上にある側軸「火」(合わせて双軸という)、そして体内を前後に4等分した前から3つ目の「第3軸」をあわせた「みい=3」であり自己の本体の根源を示す。


この場合さらにその外側に2本、合計5本のセンターを使って踊るという事だ。


これは手の甲を掲げて見た場合になぞらえられる。中指が通常センター、薬指と人差し指が水と火のセンター親指と薬指が体外にある脇センター「いつ」である。(左右をそれぞれ「ひいつ」と「みいつ」という)



僕の初主演映画「縄文」の時に運動科学研究所の高岡英夫氏に支持し縄文人の運動特質を解明してもらい明らかになった体外センターの事である。
僕は当時縄文人になりきるために、その運動を研究したが、その後修練を重ねて、今ではこれが五三のテクニックとして体系付けられた。


ダンサーが舞台上で五角形、つまり星型五芒星を描く向きには、2角が前を向くようにする方法がダンスの展開としては豊かである。(つまり観客からみて上向き五芒星に歩む)


傾舞独自の「みい=3」を収め、さらに、体外センター「いつ」を合わせて5本使えるようになる事を、「五三師」といった。(五三を使う事で黄金の4(世、代=時空)を作る事は五三四と書く事もできる…)


これによりダンサーは「五味」と「醐味」を演じられるようになる。


傾舞では演劇人が表現する「喜怒哀楽」ではなく「五味」を使うのか
それはダンスという表現自体が感情そのものを表現するものではなく、その後ろ戸の闇に隠された、表現の根源成分を表現する事を目的としているからである。
この抽象であり具象(根源?)な概念は非常に割り切れない東洋哲学的な概念であり西洋的には不可思議な思考である。


しかし傾舞はこの原始の生命感こそダンサーが表現すべきパッションなのだと考える。


これにより、表現が多重性の感動を起こす事が可能になるからだ。
傾舞はその身体哲学によってダンスという身体表現を一元的な「一方通行の表現」から脱却する。それは、インタラクティブ(双方向性)を超えて、さらなる地平に存在する
超表現=多次元重層表現(Multi Dimensional Expression)なのだ。



この技術体系と思考体系を示す「五三」は、高岡英夫氏のアウトサイドジンブレイドの応用を持って可能になり五角形の運足の修練によって得られた極意なので単に5をあらわす「いつ」という事も多い。
又、この運足を武術的に用いると、敵に全く予想されない動きを可能とし、技の始まりもおこりも認識できない事から時がない速さ、「無足」を可能とする奥義としても「いつ」と名づけた。




この五芒星の運足の効能とは何だろう。
五芒星の中心を「金」いう。
それは自己の本体を金に位置する事で黄金の表現を可能にするといわれているポジションだからだ。
つまり「五三」を使う事で黄金の4(世、代=時空)を作りそこで舞うわけだ。


これは金星の会合運動にも似ている。
金星が見かけ上、地球の周りを8年かけて星型に動く事をご存知だろうか?
金星は地球より早く軌道をめぐるため1.6年ごとに5回地球を追い越す(会合)する。
つまり8年で元の位置にもどりその軌跡は星型になる。
この現象は古代から世界中でよく知られていた現象であった。
そして五芒星の中には人が最も美しいと感じる黄金比率1.618…が多く含まれるのだ。
ダンサーが五芒星に運足しても水平方向から見ている観客にはそれは認識しずらい。
それは観客からの最大芸視覚を超えている場合が多いからだ。
しかし、その五芒星の持つ力は確実にダンサーに転写され、絵にも言われぬ美をかもし出すものなのだ。
これが傾舞極意「五三」である。


余談ではあるけれど、さきほど「五三」を操る「五三師」の話をした
実は、薬草「五味子」というものがある。
薬草「五味子」(マツブサチョウセンゴミシの果実。また、それを干した漢方薬)が
気管支炎・喘息(ぜんそく)など肺に関する症状に効能があり
陰陽5行説によれば「金」を表す内臓は「肺」に対応する元素であるというのは面白い偶然の一致である。